2020年09月04日

「俳句ステップ!」おおぎやなぎちか著

DSC_5753.JPGおおぎやなぎちかさんの最新刊『俳句ステップ!』(イシマ アズサ絵/佼成出版社)を拝読しました。
物語のモチーフは「俳句」!
主人公は、言いたいことが上手く言えない小学校三年生の七実です。七実は、公園で出会った薫子さんに誘われて俳句を作るようになります。
ある日、先生が「このクラスから市の俳句大会の〈子ども俳句大賞〉に選ばれた子が出た」と告げるところから物語は動き出します。
作品は「さる山のさるにとられた春ぼうし」、作者は優等生の佐々木早知恵。「どういうこと?」 頭の中がまっ白になる七実。実はこの俳句を作ったのは七実だったのです。
「これはあたしが作った俳句です」と言い出せない七実。早知恵もまた、祖父が勝手に応募したことに気づきつつ、本当のことを言いだせません。
どう解決するのか、ドキドキしながら読み進めました。
ストーリーの面白さに加えて、俳句の魅力を伝えているところがワタクシ的にはツボでした。
七実を俳句の世界に誘った薫子さんをはじめ、七実の担任の外山先生、早知恵のおじいちゃんがそれぞれ魅力的です。こういう人たちと出会えたら、きっと俳句を作りたくなるだろうなぁと思いました。
物語の終盤で描かれた、句会の楽しそうなこと!
実は昨年、ちかさんのご指導のもと、東北の児童文学の書き手たちが集まって小さな句会を開きました。あのとき感じた楽しさと高揚感、充実感を思い出しました。
ちかさんがコツを伝授してくださっている「あとがき」まで味わっていただきたい作品です。
posted by roku at 11:49| Comment(0) | 読んだり書いたり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。